津原泰水『少年トレチア』 集英社文庫
298円。序盤の不穏な空気、中盤で解き明かされていく謎、終盤での幻想的展開。と、引きこまれているのか突き放されているのかよくわからない長篇。たいへん面白かった。

竹本健治『キララ、探偵す。』 文春文庫
420円。ロボメイド探偵キララ(セクサロイド機能付き)が事件を解決したりする。有能なメイドロボと駄目な主人公、なのにまわりには女の子が寄って来る。という実に漫画的というかそれ系のゲーム的なお膳立てなんだけど、竹本健治が描くとさほど嫌味を感じない。読んでいる自分の問題なのか、実際に他とは違っているのか。


以下100円。
サラ・パレツキー『サマータイム・ブルース』 山本やよい訳 ハヤカワ文庫
『レイクサイド・ストーリー』 山本やよい訳 ハヤカワ文庫
そうねえ。女性探偵が主人公だからって高く評価しなくちゃいけないというわけじゃないと思うんだよね。脅されても殴られてもめげない意に介さない女性探偵という人物像は、確かに出てきて不思議のないキャラ設定なんだけど、別に殴られたから話が面白くなるわけでもないしね。キャラクタ推しということで言えば現代的なのかなあ。