本日の読書は色川武大「百」グレイス・ペイリー「最後の瞬間のすごく大きな変化」がそれぞれハンパに読みかけ。
色川武大阿佐田哲也の本名。
で、グレイスって名前から気付いてもよかったけど作者女のひとなのな。数編読んだ感じでは、レイモンド・カーヴァーにちょっと似ている気がした。まぁ訳者が村上春樹だからかもしれない。


佐藤春夫「田園の憂鬱」ジョン・スタインベック「ハツカネズミと人間」を読了。
「田園の憂鬱」はもっと早くに読んでおかなかったのが悔やまれるけど、果たしてこの作品の良い部分に気付くことができたか疑問でもあるので今読んで良かったのだと思い込むことにします。鬱な男が、妻と、二匹の犬と、一匹の猫と共に田舎に移り住んで来て、結局鬱のままという話。つまり話らしい話は無い。村の人間に犬を食われるんじゃないかとおびえたり、日陰で伸び悩む薔薇に日を当ててやろうとして草木をばんばん切ってみたり、薪が盗まれているらしいがどうでもよかったり、寝ようとすると時計の音が気になって止めてみるんだけど妻が日中あまりに寂しいと言って適当な時間で動かしてみたり、それを夜になってまた止めたりするという話。そんなのは全然重要じゃないような気もするけど。気にせずいこう。
「ハツカネズミと人間」はいつ読んでもそれほど変わらないかな。というのは、問題となるのはラストであって、農場を渡り歩くとか、レニーは知的障害とか、このジョージには夢があるとかは割とどうでもいいというか、途中黒人が差別されてるとか、若干プロ文風味を帯びてるとかもどうでもいいというか、結局ラストだけが重要じゃない? と思うのだけど、ネタバレになるので書きません。紹介する気ねぇな俺。