バルガス=リョサ「緑の家」木村榮一訳 新潮文庫
ラテンアメリカ作家/作品の文庫というのは非常に少なくて、現在手に入るのはボルヘスとプイグくらいじゃないかと思う(読んだことはないけどポルトガル語圏の作家はいたような気もしないでもない)。かつて集英社からはラテンアメリカ文学の文庫が10作(いや複数作家の短篇集が混じってたな……)出ていたんだけど、重版されたのはボルヘス「砂の本」だけかも。それ以外にもプイグの「蜘蛛女のキス」(これは今も手に入る)とか、ガルシア=マルケス「ママ・グランデの葬儀」なんかもあった。まぁ俺が集めたのもここ2,3年のうちだから今からでも揃いますよ多分。リョサのこれもそんなものが手に入ったような時代の産物。1500円くらいで売ってるのは二度ほど見たのだけど、450円。


阿部昭「父たちの肖像」講談社文芸文庫
エッセイ。500円くらい。そういえば講談社文芸文庫買うやつは馬鹿とか言ってたような気がするな……。

山口昌男「文化の詩学」III岩波現代文庫
古本は買い逃すと次また見つかるという保証がないところが厳しいところ。まぁ主著を読まないで後期の文章を読むくらいお手のものだ。各600円くらい。

打海文三「ハルビン・カフェ」角川文庫
100円の棚にあってレジに持っていったら350円だったという現実的な意味での奇書。怖くて読めない。

「アポリネール詩集」堀口大学訳 新潮文庫
少し前に「虐殺された詩人」を買い逃して、なんとなく買ってしまう。シュールレアリスム系なので、どうせ散文でも詩のようなものだ(暴論)。250円。


以下105円。
長塚節「土」新潮文庫 プロレタリア文学のはしり。左翼小説ではないから反抗する対象があるわけではなくて、農民が苦しみつつ生きているのが結局死ぬまで続くという話かと思う。こう書いただけで読む気がしなくなってきますね。
井伏鱒二「黒い雨」新潮文庫 井伏鱒二は全く読んだことがないわけではないけど、これまでまとめて読むことのなかった作家。太宰の師匠筋にあたるし、梅崎春生は影響を受けているし、何故読んでいないのか自分で不思議である。
ミツキエヴィチ「パン・タデウシュ」(上)講談社文芸文庫 下巻が見つかるとも思えないのだが100円だったので買った。これはもし下巻が1100円で売っていたとしても脳内では一冊600円だったのだと思い込むことができる反面、下巻が見つからなかったら死蔵資料となりかねない。
アントニオ・タブッキ「遠い水平線」白水uブックス イタリア作家だから。
火野葦平「土と兵隊 麦と兵隊」新潮文庫 特に作家について思うところがあるでもなし作品について思うところがあるでもなし。物語戦後文学史の影響かと思われる。
堀田善衛「広場の孤独」新潮文庫 堀田善衛は前々から読もうと思っていたのだが、これも考えてみると物語戦後文学史の影響かもしれない。ちなみに(ところで、と言うべきか)小島信夫アメリカンスクールとかが入ってるやつが見つかりません。100円じゃないと買わないとか言ってるのがまずいんでしょうか。