石川淳選集 第四巻第六巻 岩波書店
各300円。四巻はおとしばなしとか。六巻は白頭吟。
Bret Easton Ellis / the rules of attraction
どうもアマゾンで出てくる表紙が全部違うような気がするので適当に選んでみた。105円。ブレット・イーストン・エリスといえばアメリカン・サイコという映画化もされた傑作変態小説があるわけだが、ファンというわけではなく(レスザンゼロも読んでいないし)、そもそも小説の半分はドラッグの話で残りの半分はセックスの話だろうと思われるのであるわけでスラングもろくに知らずに読めるわけないような気もするけどまぁそれはどうでもいいんだ105円だから買ったのさ。
話のついでにアメリカンサイコについて少々語ってみるか。未読の方はとりあえず読んでみるところから始めると良いと思う。読み始めた途端に多分後悔するけど、読みきらないとよくわからない。と言っても、話自体はそれほど複雑じゃなくて、良くわからないが金持ちの息子らしきパトリック・ベイトマン(仕事もろくにしてないように見えるにもかかわらず重役らしい)が、ひとの目を気にしたりしつつ、より良いものを求めて生きていく過程で、人殺しがあったりドラッグがあったりセックスがあったりして、何が起こったのかよくわからないまま「ここからは出られません」と終わる小説。金もありあまっているし女は殺すほど寄ってくるし知り合いの見分けはつかないしでも着ているブランドはひと目でわかる。最初の方では、誰々は〜〜のスーツに〜〜の靴で、靴下の色が〜〜色で趣味が悪い、とか、誰々の名刺は手触りが良くて印字も効果的、みたいな話を延々続けるのでマジメに読むのはかなりツライ。というか進んでいってもジェネシスとかホイットニー・ヒューストンの良さについて延々語ったりしていてツライ。最後まで読んでも失踪した奴がどうなったとかよくわからなかったり実は知らないうちに戻ってきているだけだったりして意味がわからない。ありとあらゆる意味で笑いどころ満載なんだけど、読み終わってみないとどこが笑うところだったのか微妙にわからないのでツライと言えばまぁそこもツライ。でもエーコフーコーの振り子を笑い転げながら読めたのは、エリスのアメリカン・サイコのおかげだと思っていたりする。そういやニュー・アトランティス読んでないなぁ。つまりアメリカンサイコは面白いわけじゃないけどオススメっていうことだね。自分の他に読んだという人間をひとりしか知らないのだが、そのひとは深夜の銃撃戦あたりが面白いとか言ってた。俺はそんなシーンおぼえてすらいなかったりする。「1980年代の終わり」という章が好きだよ。あの秘書の娘が結構好きなので。