貴志祐介『クリムゾンの迷宮』

つーわけで(どういうわけで?)やっと読んだよ。えーっとね、これも結構イマイチ感漂ってる。B級趣味なひとは結構いいかも。
目が覚めると見知らぬ土地。携帯ゲーム機にうつしだされる「火星の迷宮へようこそ」の文字。補聴器の女性。その他の参加者。四つのルート――サバイバル用品、武器、食料、そして情報。死のゼロサムゲームが始まる……。
バトロワ読んだ当時は面白くないと思ってたけど、こうして見るとエンタメな要素がちゃんと入っていたんだなぁと思わずにはいられないね。まぁ両者ともご都合主義と、主催者側が予算と手間かけまくってまでゲームをやる理由が薄いなぁと感じずにはいられないあたりがイマイチ乗り切れない部分。理由なんて書かなくてもいいのよ。キューブとか別に主催者側の目的なんて結局どうでもいいじゃん? ソウは理由描かれているけど、どう考えても愉快犯だよなアレ。あ、あれが正しい意味での確信犯ってやつなのか? ともあれ心臓の弱い方は見るのやめておいたほうがいい映画ですよね、とか適当にまとめておく。
で、何の話だっけ? あぁ、迷宮。
迷宮というタイトルには偽りがある、ような気がする。だって舞台は野原、じゃないにしても、せいぜい林なのだし。まぁどうせなら『』付きで作中作のタイトルをパクれば良かったんだよ! そうすればメタ好きな俺は何もかも許したかもしれないのに!
すいません取り乱しました(いつものことです←それじゃ俺がいつも取り乱しているみたいじゃないか)。
だいたいアレにしてもコレにしてもソレにしても、ろくにひとも殺せない奴が生き残れるってのはどうなんだ? この手の作品はなんかの宗教のパンフなのか? なんでダークサイドに堕ちてヒロインを救わないの?(物語の都合上、ジャンプ的にはヒーローはクリーンでなきゃいけないんじゃね?←いや、週刊少年誌とかこれっぽっちも関係ないから)。あと大抵ヒロインは足手まといだから死ぬと思うんだ(そうすると話が復讐譚みたいになってしまってダメなのよ)。
ところで俺は読み始めるまで、ゲームとかモバイルとか追いかけるとか殺すとかオーストラリアとかいうキーワードで、lainワイアードみたいで現実に下手にリンクしてる仮想現実鬼ごっこみたいな、「ゲェムだと思って軽い気持でやってたら本当にひとが死んでた」的なものを思い浮かべていた(あーしかしこのDVDボックス欲しいなぁ)。主人公オッサンだった時点で何かもうちょっとやる気なくして投げかけてた感は否めない、とまでは言わないが、状況設定も登場人物も魅力に乏しいのは結構悲しい。