行動圏内に新しく古本屋ができていたので行ってみた。300mくらい離れているが、元々あったもののサブ店舗らしい。

泡坂妻夫『奇術探偵曾我佳城全集』 講談社
300円。値札の数字が間違ってるんじゃないかと三度ほど眺めてからレジへ持って行った。だってまぁ300円で売ってるとは思わないし。値札を剥がしてみると二重になっていて、古いほうは1600なのであった。まぁ半額だから妥当とはいえ、絶版でもないのに1600円は払わないので売れ残るのも当然であろう(と思ったら絶版だったが文庫化されていたのでもちろん1600円はやっぱり払わないぜと思ったら文庫も絶版くさいので欲しいひとなら1600円でも高くはない買い物なのだろうなぁと思いつつ安価に拾ったことを幸運に思うのであった)。もうワンクッション800円とか粘ってみるべきであったかと思われるが、新古書店は回転率が命なんだろうか。まぁ確かに何度行っても棚の本がほとんど入れ替わってないような店に足繁く通いたいかと言われたら、そんなことはないわけでね。

中村真一郎『この百年の小説』 新潮選書
300円。中村真一郎は少なくとも僕より読書家であるので参考に。国内小説のみのお話の様子。目次眺めつついくつか買い足してそれから読もうかなんて考えております。

ヴォンダ・N・マッキンタイア『太陽の王と月の妖獣』上 幹遙子訳 ハヤカワ文庫SF
300と350だったかな。すっかり忘れていたのだが、タイトルに何か感ずるところがあって購入して帰ってみると、どこかの解説で触れられていたものをメモしていたのであった。思い起こしてみるにおそらく錬金術師の魔砲あたりかな。がちがちのファンタジーかと思うようなタイトルだが、太陽王ルイ14世の話である。時代的にも錬金術師の魔砲と似たようなあたりか。城の周辺地図、城の内部の間取り各2ページ。登場人物リストが5ページにも及んでいる。密室殺人でもおこんのかこの話。まったくもって読む気がしないのだが……。

ロジャー・ゼラズニイ『光の王』 深町真理子訳 ハヤカワ文庫SF
350円。ゼラズニイは古本がほんとに落ちてなくて困る。しかし何故こう少女漫画みたいな表紙なのかしら。女性読者が増えるんですかね。たったひとつのとかさ。あ、そういえばウルフの新しい太陽の書続篇が訳されるに当たって新装版としてこれまでの四冊も出しなおすらしいんですが、絵は小畑健らしいっすね。SFって青年誌系統の漫画家にやらせたほうがいいんじゃねぇかと思うんですけど。それじゃ(というか作品の雰囲気そのままの表紙じゃ)新規には読者が増えないんだろうなぁ。表紙買いしても“主人公の職業:拷問者”じゃグロ耐性ないと読む気にもなるまいし。読んだ人間がグロなんてないよ! と言えればいいのだが、ないわけじゃないし。あ、話脱線しすぎですね。どんどん売れてどんどん新訳が出れば良いと思うが、表紙絵一枚のために四冊五冊と買ってもらえるものなのかしらん。

大岡昇平『事件』 新潮文庫
ミステリ読みから評価の高いような気がするもの。そうか日本推理作家協会賞受賞してたのか。そもそも大岡があまり好きじゃないのでやっと購入。レイテ戦記もいつか読まなきゃと思ってはいるのだが、上巻中巻だけが手元にあって下巻なんて探してすらいないような気がする。100円。