まぁあれだよ収容所群島読み始めたよ。ガン病棟を読んだときには気づかなかったんだけど、というかガン病棟はあれはあれで変な話で、リアリティを無視する方向へ一種のエンタメ力(“か”ではなくてパワー)的なものがはたらいているかのように、安っぽいメロドラマのごとく色々な事件が起こったりさしたる理由もなさそうなのに男女がくっ付いたり離れたりで、入ったら最後人生の最期のガン病棟を舞台にしているのにやたら軽く読み終えてしまえる小説なのだけれども、十代の少女が乳がんと診断されて手術で切除することが決まり(昔の話だからね)まだ誰にも触ってもらったこともないのにと泣きながら同年代の男の子に胸を触らせるエピソードだけが印象に残っているのだが、まぁそれはそれとして、その他の収容所を扱った小説はイワンも煉獄(ぶっちゃけ誤訳)も群島も、圧制を布いていた(強いていた?)ソ連の内情をコマーシャルするものであって、長いものほど説明が多くなるのでうんざりの度が増すということだけは言っておきたい。