では日曜日ということで将棋の話題から。
なんか良くわからないうちに逆転というのは、将棋ではままある話なんだけど、ああいうのを見るたびに将棋は俺のような凡人には指せねぇなぁと思う。今日対局していた森下九段にしても久保八段にしても無茶苦茶に強いのである。どれくらい強いかが素人には説明しかねるほど強いのである。もちろん双方強いのだから逆転することくらいあるだろう、と確かに思う。思うのだが、序盤三十分から優勢だったほうが、相手の攻め入る隙を無くし、あとは倒すだけ、となったところからラスト五分で負けてしまうのだから、最期のほうなんてほとんど何がどうなっているものやら不明である。そこが魅力といえば魅力ではあるのだけど。
しかし先週の谷川九段対藤井九段の対局はものすごかった。8八飛車から穴熊を崩していく谷川九段には惚れるね。解説の鈴木八段だったかが言ってましたが、中盤警戒されてなかなか得意戦法に持ち込めない谷川九段だけども、やっぱ強いです。苦境に置かれてなお強いってのは、つまりよほど強いってことだよね(マンガとかだとそんなことはないけどね。むしろ苦境に置かれないと強くならないとか作者の都合上苦境に置かれると実力とか無視して強い奴とかたくさんいるけどね)。
こういう一手で全く有利不利が入れ替わってしまうような(つまりあの状況での8八飛車みたいな)手なんて指されると、やっぱプロでもう何十年も先端を行ってるひとというのの凄さを感じるだけで、むしろ憧れの気持がわくのだけど、どうも有利なほうが単に何かのミスで負けてしまうと難しく考えてしまうのは、自分ではミスのない将棋を指すのが無理だとわかっているからこそなのかも。先週の藤井九段にミスがあったという気がしませんもん。スポーツとかでもありますよね。一回のファール、シュート、ゴールみたいなもので突然何が起こったのかと思うほど流れが変わること。ああいうのは興奮する(俺スポーツ観戦なんて滅多にしないけど)。将棋はそこにいたるまでの、あやと言うか伏線みたいなものがあるから、そういうのがぴったり来るべき位置に来た! という感動がさらにある。こういうのって、ミステリ読みとかにはたまりませんよね。ということでミステリ読みは将棋憶えてみると新しい世界が啓けると思いますよ(また話がずれている)。