宮部みゆき「火車」を読んだ。
長すぎるよね。しかもこの終わり方。関東視点(今の主人公視点)と関西視点(保くんが良いですかね)を分けて、なおかつ主人公の息子視点と終盤突然出てきて重要な役割を果たすとある女性の視点(姉の入院話から始めれば悪くない伏線だと思うのですが)も作ると、これくらいの長さでも良いような気がします。無駄なことを書きすぎているから長いのかとも思ったのだが、どうも子供と犬のエピソードの邪魔さ加減などを考慮するに、無駄な話を組み込むのが下手なんだと思われ、他に対してそれほど邪魔とも感じなかったということは、他はすべて説明なのであり、そんなに説明されたら余韻も糞も糸瓜も苦瓜もカラスウリもないよと思ったのであった。十分の一の長さならたぶん読まされても許せるかな。もしくは福永武彦の「死の島」みたいにすればよいか。そうするとラストは凄まじいことになるな(両方読んだひとじゃないとわかりそうにもないことなんて言うもんじゃないと思いつつ言ってみる)。