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全部105円。
『フォークナー短編集』 龍口直太郎訳 新潮文庫 
えーと、今読みかけ。面白いんだか面白くないんだかよくわからんな。理由はおそらくのところ登場人物が魅力に乏しいからなのだが、だんだんうんざりしてくるんだよね。あと暑苦しいので今日みたいな暑い日に読むには向かない。
ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』上// 越前敏弥訳 角川文庫
さて角川文庫は背が白なのに、何故これは赤いの? と疑問を抱いている方が少なからずおられると思います。そんなひとは、涼宮ハルヒものを買うと疑問が解けるかもしれませんよ(SOS団が世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団の略であることを今知りました)。というわけで、海外ラノベのベストセラーで、映画も大ヒットした、実はダヴィンチは話の導入に使われているくらいなもんだからジャロに電話したらいいんじゃね(ダヴィンチをメインに据えるなら、聖杯の正体についての講義は解決後、ばあさんの家でやれば良いはず、というか一晩の物語にもかかわらず中巻でそんなことをしてしまう作者も作者だし、主人公も主人公だしヒロインもヒロインだしおっさんもおっさんである)、でおなじみの作品。何が凄いって、字のでかいことでかいこと。
短期で計画性にも欠ける(サイレンサーも持っていない)等かなり抜けてるのに捕まらないで病院に行けてしまったりする暗殺者(まぁ宗教かぶれのごろつきだからな……)とか、ミスリードで犯人と思わせるため不審な行動ばっかりとっている有能な元暗殺者警察関係のひととか、頭が良いというよりはむしろやっぱ好きなひとを追い求めて妄想してるほうが良くね都合良く馬鹿なヒロインとか(あ、でもレオン警部ともども英語が下手なので心配していたのですが、舞台がフランスだししょうがないのだという設定のようでそこは良かったなと思いました)、てかおいマッケランってガンダルフだったのか知らなかったよ、あとさんざん言われているように、確かに館長脱ぐ必要ないね。マニア気質で細部まで再現しないとコスプレイヤーとして満足できないんだろうね多分。
などなどツッコミどころ満載でしたが、ところでこの話、聖書に興味を持ったこともなさそうな全日本100万人(一説によると1000万部とかも言われているが、13人に1人くらい読んでるってことですか? 上中下とハード上下全部あわせて1000万部ですか?)の方々(禁書らしいからキリスト教徒はあんま読まないような気がするのだが、そのへんどうですかキリスト教徒さん)は、この話をどの程度楽しんでいるのか気になります。あぁ、でもまぁ俺もフーコーの振り子とか何言ってんのかよくわからないながらも楽しかったから別に良いのかどうでも。
話のつくりはスタンダードな(というかスタンダードなんつうものをつかむほど歴史ミステリなんて読んでないが)歴史ミステリで、最後は結局あやふやにして終えるのまできっちり踏襲してくれています。別に小説なんだから歴史くらい改竄すりゃいいじゃねぇか、と思うひとには向いていません。そういうひとは勇午(マグダラのマリア編)でも読みましょう(さすがにエーコは薦めない)。てか勇午小説じゃねぇしな。

中村恵里加『ダブルブリッドIII』 電撃文庫
ついつい100円だと買ってしまう(漫画感覚)。ラノベのキャラクタというのは性格の誇張がどうも極端でいけないと思うわけで(話が進むにつれ太一郎君がただの阿呆に見えてくるとか)、ひとじゃないのでなかなか死なないという特性をいかした(あまりいかしてない)喧嘩など無茶苦茶で面白い(無茶苦茶なのは好きです)のだがやっぱり漫画的である感が拭えないですよね。怪物的クリーチャー、吸血鬼に続いては、中国産人型兵器です。って前作のあの変な宗教のひと達とは戦わないのかよ。大戦期に始まった開発が遅れに遅れてなんとか出来上がったかと思えば大戦時入力されたプログラムが微妙に生きてて暴走というアレ。そんな映画あったぜ、と思ったがタイトルが思い出せない。えーとイレイザーじゃアーノルド(なれなれしい)だし、トバモリーは猫だし、カタカナ四文字くらいだと思ったんだがなぁ(懸賞で当たったR2D2似ロボが元々軍事用に開発されていたものでその割に脚部が平地以外ダメだろそれ、と思わずともないがそれはそれとして、BB弾をぽんぽん撃ち合う遊びのはずがパチンコ玉を撃って鏡を割ったり、暴走に気付いた軍人さんが止めに来るのをさくっと殺したり、でも最後は壊されちゃうの、だってハリウッドだもん……。みたいな映画だったような……見たのは10年位前TVでだったような気がする。ていうかまぁあんな冴えない作品DVDにはなってないと思うしどうでもいいや)。とりあえず主人公が弱いのに(いや強いんだけど)不死身過ぎてストレスが溜まります。

神林長平『戦闘妖精・雪風』 ハヤカワ文庫JA
田舎ものとしてはJAは農協という方向で話を進めて行きたいのだが、いかんせん方向を定めても進みようがなくて困る。そしてこれだけまだ読んでないので書きようがなくて困る。いや、日本のSFも読んでみようと思いまして、というだけのお話。できれば続きを手に入れてから読み始めたいところ。


ていうかほとんど積んでない。読んでるじゃん。偉いんだか偉くないんだか。