横溝正史「本陣殺人事件」

まぁ本陣以外にも二個くらいなんか入ってたけどどうでもいいや。関連ものとして本陣を読みましたよのご報告。
おもしれーな横溝正史。「理論的に可能なら可能」とでも言わんばかりの密室トリックは映画版を見ていて本当に良かったと思いました。特にあの日本刀がサクッと雪に刺さる場面だけでも見るべきだよ。つまり謎解きのあたりですけど。横溝は映画に合う作家ですよね。映像化したくなるような人物や場面があちこちにある。
映画のほうもチラ見だったのでストーリ自体よく知らなかったのですが、すごいぞ! 偶然に偶然が重なって、ものすごい大事件ができあがるんだ! 確かに俺が犯人でも、これだけ偶然が積み重なったら、あんなことやこんなこともやってしまうかも! と思わせる、ある意味豪勢というか、当然リアリティは皆無なのだが、これがマイナスに作用するかというとそうではなく、金田一耕助という凄まじい天才が、偶然まで含めて全部解き明かしてくれてしまう、これまたありえない探偵で、つまりマイナスかけるマイナスで、なんとプラスになるんだ! すごいぞ!(二回目)