12月のこれまでのお買い物。

安部公房『幽霊はここにいる どれい狩り』 新潮文庫
処女戯曲「制服」と、表題作二編をおさめた戯曲集。250円。「幽霊はここにいる」は読んだことがあり、「ウエー(新どれい狩り)」も読んだことがある。これでいよいよ手元にない文庫は『石の眼』くらいか……。「制服」についてはエッセイなどでの言及もあり読みたいとは思っていたが、これに入っていたとは知らなかった。

古井由吉『円陣を組む女たち』 文春文庫
いくら何でもエンジンを組む女たちという変換はどうかと思った。そういうパロディもありそうだが……。どうやら処女作を含む第一短篇集。180円。古井由吉ムージルの訳書がいくらかあってそっちをちょっと読んだのだけど、ぱらぱらと見る限りではあそこまで難しい感はないかな。一見謎のように見えるものが「そういうもの」なのか解き明かしようのある「謎」なのかはっきりしないのが面白い。丁寧に読むには神経使いそうだなぁ。

柳田國男『昔話と文学』 角川文庫
そうか昔は角川文庫でたくさん出てたのか柳田國男。130円。

石川淳『文林通言』 中公文庫
200円。朝日新聞連載の時評。中公では座談本も出ていて欲しいのだが全く見かけません。金に糸目をつけなければ買えるのに! という状況はなんとなく腹立たしい。

松本清張『昭和史発掘1』 文春文庫
50円だったので買ってみる。特に深い考えあってのことはないのだが、歴史は苦手分野なのでこのへんの下世話なところからちょっとつついてみようという。まぁ下世話なのかどうかすらも知りませんが。

ヘンリ・ミラー『北回帰線』 大久保康雄訳 新潮文庫
350円。過剰な性描写とナントカカントカで長らく発禁を免れなかった……いや、別に性描写とか目的なわけじゃないから! 最初10ページくらいはとても面白そうな感じだったのに、だんだん話がループしだすのではないかと恐れている。年内に読み終わるといいなぁ。


以下100円。
フィリップ・ロス『さようならコロンバス』 佐伯彰一訳 集英社文庫
ユダヤ人作家、ということで、手を出してみる。ロスは以前集英社文庫で色々出ていたらしいが現在ではほとんど絶版なんだそうな。

吉本隆明『素人の時代』 角川書店
対談集。島尾敏雄目当て。他の面子も大西巨人とか寺山修司とかなかなかの顔ぶれ。

ヘンリー・ジェイムズ『ワシントン・スクエア』 河島弘美訳 キネマ旬報社
なんか映画の原作らしいね。来たるべきヘンリー・ジェイムズ特集(何の?)のために購入。だって100円だったし。

エドワード・オールビー全集2 早川書房
あぁ誰かと思えばヴァージニア・ウルフなんかこわくないのひとか。どうりで聞いたことある名前だと思った。