竹本健治『狂い咲く薔薇を君に』 光文社文庫

320くらいかな。長篇四作武藤牧場シリーズから8年。短篇集。牧場智久はまだショタキャラである。引退後名誉名人・本因坊として後進を育成しつつ事件を解決する晩年の牧場智久なんてのは誰かがパロディでもやらない限り見られないだろう。武藤類子は宇宙に出て化け物と闘ったりして、たまに日本に帰ってくると時間のずれでまだ若いとかそういうネタではだめかね。だめか。

アントニイ・バークリー『ジャンピング・ジェニイ』 狩野一郎訳 創元推理文庫

400円。傑作過ぎて読了翌日本屋に行ったけど毒入りとこれしか本屋になくてとぼとぼ帰りました。何が面白いか言っちゃうとネタバレでありまして、なんかもうこれは、読むべきだよ! 面白いから! としか言えない。今年読んだミステリでは一番面白い。と四月の時点で断言しちゃうくらい。でも、面白いと聞いたこともいったん忘れて読んだほうがいいだろうから、本当は面白いとすら言わないほうがいいんだよな、しかし、これ、うん、つまり、そういうわけで何もコメントはないです。あ、そうそう、ジャンピング・ジェニイというのはジャンピング・ジャックの女性形で、縛り首の人間をそういう言いまわしがあるらしい。