人生の低迷を感じる。

何故かってユリシーズが(以下略。
P・G・ウッドハウス『比類なきジーヴス』 森村たまき訳 国書刊行会
1050円。大型書店なんかに行くと国書とどっかウッドハウスを大プッシュしていて非常に気になっていたのはきっと俺だけじゃないはず! イギリスではホームズ/ワトソンのコンビほど有名な、ジーヴス/バーティーのふたりを主人公に、墓穴を掘り続ける主人とどんな窮地からも救い出す従者のパターンを延々くり返してくれる。ジーヴスの機転もさることながら、素晴らしい語り手で、文章からは聡明にしか感じられないバーティーが、自分のことで墓穴を掘り、人事に巻き込まれては自滅する、そのギャップがとても魅力的。

森博嗣『虚空の逆マトリクス』 講談社文庫
350円。Vシリーズも完結したわけですが、あれは時系列で並んでいるわけではないんですよね? 特にその辺について説明も何も無いってのはどう考えるべきなん? 森博嗣ラノベ同然に読めて全く内容が頭に残らないのだけど、ちゃんと密室を作ってくれるので割と好きです。読み終わったんだけど内容は全くおぼえていないのでこの短篇集に密室がでてきたかはよくわからない。回文を言いながら事件を解決する新キャラは結構面白いと思った。そういう無駄なところが面白くないと。ただひとが死んで事件を解決するだけじゃなぁ。

奥泉光『その言葉を』 集英社文庫
250円。これも読んだ。積読改め読了報告にしろと言いたくなるのも無理はないが、後半に期待するとよろしいかと思う。で、これは著者のデビュー作だか第一短篇集(といっても二篇だけど)だったかと。最近の作よりこのころのほうが面白いなぁ。どうやら入手困難らしくマケプレでの値段が凄まじいことになっている。で思い出した。葦と百合見つかんねぇ。

京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』 講談社新書
105円。何故か新書版を買ってしまう。以前は新書の中途半端な大きさが非常に気に食わず、二段組も大嫌いだったのだが、最近は読めればどうでもよくなった。京極の場合、文庫のほうが妖怪人形の写真が付いていて素敵ではある。あぁ、そうか、本陣殺人事件のオマージュなのか読んだことないから気付かなかった(ひとりごと)。面白くないことで言えばシリーズ随一だと思うが、それでも充分読めるあたりが嬉しいやら悲しいやら。事件自体はわかりやすいので(なんせ関口君さえ気付くのだし)、プロローグを念頭に置いておけば犯人くらいはわかる、というか、他に怪しい人間すらいないというこの推理小説としてどうなの? な出来はどうなの? あと最近京極堂の妹のひとが出てこないのが気になります。大活躍して欲しいキャラクタ、ランキング一位ですよね。

中村恵里加『ダブルブリッドIV』 電撃文庫
105円。死んだひとが生き返ったりする。あと敵組織が出てきたりする。順調に2、3作目で過去の同僚が出てきてあとひとりというところなのに、そのひとりが出てこないというある意味期待を裏切った作品。どうやら9が出てから(って、その後にも別の作が出ているが)作者は病気で休業していたらしい。完結する気はあるようなので引き続き続刊も探索。今後は素晴らしき鬱展開ということで、いくぶん怖いもの見たさ的感覚でもあるかもしれない。

Ernest Hemingway "The Short Stories" Scribner
350円。あまりにもタイムリィなので思わず。まぁこれは読まないので余裕で積読。やっとここから積読だよみんな!

Roald Dahl "Kiss Kiss" French & European Pubns
105円。だってあのシリーズ高くて買えないんだもん。日本語訳があるのに、自力で読むとは思えない。というか、ダールってちゃんと読めてないと話のオチがわからない作風のような気がするので読んで理解できる気があまりしない。


以下全部105円。
奥泉光『グランド・ミステリー』上/ 角川文庫
賛否両論の長編。気が向いたら読む。そのうち。きっと。

空海コレクションI ちくま学芸文庫
読む予定はない。言い切った。てか、読んでもほとんど詩として見てしまう気がするんですよね。基礎的な知識が全然無いので。でもこれが100円で売ってるのに買わないのはさすがにどうかと思って購入した次第。

小島信夫『女流』 集英社文庫
特に何ということもなく手に取ったままレジまでご同行。どうやら長篇。というか薄いから中篇かな。

中村真一郎『死の遍歴』 集英社文庫
タイトルだけは聞いたことがあるなぁ程度。