トマス・ハリス『ハンニバル・ライジング』

某家の居間に置かれていたので「一日で返すわ」つって借りてもう返してしまった。
ハンニバル・レクターがまだ博士じゃないころの話。映画はどうなんだろうなぁ。とりあえず新潮は500ページごとき分冊しないでくれと言いたい。
まぁ要は彼にも陰惨な過去とかがありましたよっていう話なんだけど、13歳のころから才能を感じさせる素晴らしい話術を見せてくれます。ストーリなんて抜きにして、人間を越えている感じを楽しんでしまったわけだが(まぁ運も実力のうちという感もあるが)、内容は薄いかなぁと思う。まぁシリーズ中一番短いが一番色々詰ってるわけで、それを期待するほうが違うんだろうな。あぁでも羊も500ページくらいか。それなら羊再読したほうがいいかもしれん。
色々と描かれていない部分があるような気もするんだけど、効果的に略されているかと言われると微妙なところで、そもそも略されている部分に本当に意味があるのか疑問である(物置小屋のアルバニア人とかのことね)。意味があるとすれば(まぁ単に死んだだけともとれますけども)聡明なこの人物が気付いていなかったとは考えがたいので、解説で触れられている疑問の一つには回答可能のように思うんですよね。まぁ別にどうでもいいけど。なんだよ何でもどうでもいいのかよ、と思われそうですが、裏付けが面倒なんですよね。直感を喋り倒しているだけなので。