八月からこっちのそれら。

殊能将之『キマイラの新しい城』 講談社文庫
魔術師イスルギーってだけで笑えてくる(帯の文句に出てくる)。幻想文学的要素を加えたミステリで、今回はアクション(殺陣?)もあり。解決はするけど推理はしていない気もするので、ミステリではないのかもしれない。いいぞもっとやれとか思うヤツは邪道ミステリ読みということで。いや、面白ければ何でも良いんでしてへへへ……。

鈴木大拙『禅』 工藤澄子訳 ちくま文庫
明らかにケージの影響。新渡戸稲造アレみたいに英語で書かれたものを日本語訳したらしい。なんだかこのままだと普通に老荘あたり読み始めそうで、自らの読書傾向がよくわからなくなってきた。でもまぁ読んだことがないほうがきっとおかしいのだと言い聞かせてやっていこうと思います。

イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』 和田忠彦訳 ちくま文庫
くもの巣、これ、と順調に文庫化が進んでいますね。まっぷたつとかエッセイとかどんどん全部やってくれると嬉しいなぁ。加えてマルコヴァルドも出せば大体代表作は読めるということになるのではないか。

イジドール・デュカス『ロートレアモン全集』 石井洋二郎訳 ちくま文庫
思い切って購入。シュールレアリストによって発見された19世紀の詩人作家。若くして亡くなっていることを今知った。正確には今じゃないけど。マルドロールの歌さえ初読ということで、僕の文学的教養のなさがうかがえる。まぁほら、フランス文学だから。


夏場は暑かったので不精して通販で物欲を抑えていた。

T・S・エリオット『荒地・ゲロンチョン』 福田陸太郎・森山泰夫訳 大修館
1400円とか。+送料。原文20ページ、訳した本文20ページ、注60ページ、解説30ページみたいな本。二度ほど改版している。原文が付いていたほうが日本語訳だけを読むより多分わかりやすい。けど原文はネットで読めるんだよね。

『オクタビオ・パス詩集』 真辺博章編訳 土曜美術社出版販売
1000円+送料。買おうと思ったら品切れ重版未定という例のアレ*1であってアレ*2だったのでアレ*3である。元値と変わらない値段だったので中古本としては高いのだが、古書としてはトントンなら良い買い物である。

『マラルメ詩集』 加藤美雄訳 彌生書房
込み950円くらい。とりあえず別の訳もというわけで。これにもとうぜん骰子一擲は入っていない。英訳はネットで見れんだけどなぁ。

『筑摩世界文学大系83 ローザ ドノーソ』
1500円+送料。夜のみだらな鳥を探していたのだが、ふと見つけたこれが気になったので価格もみだらなやつの半分くらいだし、注文してみる。最終的にはみだらなあれも買うのだろうから出費は1.5倍になっているわけだが、深く考えてはいけない。気になったというのは、併録されているジョアン・ギマランエス・ローザという作家。初めて聞いた名前だったのだが……。まぁとりあえず読んでから……。

「プルタルコス英雄伝」上 村川堅太郎編 ちくま文庫
三冊で込み1340円。20年近く前のちくま文庫版(学芸文庫版でないってことね)。異同がないことを願うが店頭で学芸文庫版と行き会わないのでそのへんは不明(まぁ行き会ったとしても大概不明だろうと思われなくもない)。購入後岩波文庫版と違って全訳でないということを知るが、まぁ何にせよ現行版一冊の値段でまとめて手に入ったのはありがたい。あとのことは読んでから考えましょう。



石川淳選集 岩波書店
第一巻 葦手/山櫻/普賢/マルスの歌/曾呂利咄/張伯端/鐵拐/雪のはて/黄金傅説/無盡燈/焼跡のイエス
第二巻 白猫/かよひ小町/處女懐胎
第三巻 雪のイヴ/飛梅/變化雑載/野ざらし/最後の晩餐/善財/片しぐれ/野守鏡/影ふたつ/夜は夜もすがら
第五巻 前身/狼/灰色のマント/紫苑物語/まぼろし車/八幡縁起/今はむかし/修羅/靈薬十二�丹
ということで。四(おとしばなし他)、六(白頭吟)、十二(渡辺崋山他)も持っていたので半分くらいは手に入れたのかと思ったら、全十七冊でまだ遠いのであった。まぁ八巻の至福千年は岩波文庫版持ってるんでいらないんですけどね。一巻〜十巻まで小説(十巻には戯曲も)で、十一巻〜十七巻まで評論・随筆。森鴎外とかは持ってないので欲しい。300円かける四冊。

ウィリアム・ジェイムズ『プラグマティズム』 桝田啓三郎訳 岩波文庫
200円。弟は哲学書のような小説を書くヘンリー・ジェイムズ。こっちは小説のような哲学書を書くウィリアム・ジェイムズ。初めて読むので本当かどうかは知らない。

H・D・ソロー「森の生活」上
各200円。安かったから。そういえばソローもケージの著作で言及されていた。


以下100円。
『リルケ詩集』 富士川英郎訳 彌生書房
安かったので。

金子光晴『どくろ杯』 中公文庫
果たして俺は金子光晴の詩をいくらかでもまとめて読んだことがあるのだろうか、いや、ない。たぶん。全く読んだことがないわけではないのだが。

チェーホフ『イワーノフ』 米川正夫訳 角川文庫
角川リバイバルの金カヴァー。戯曲であるもよう。

ウィリアム・ギブスン『あいどる』
文庫化していたとはつゆ知らず。ていうかハヤカワのほうが欲しいんですけどね?

*1:コンボ

*2:入手困難

*3:見つけて飛びついた次第