たぶん三月の。

アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』 中田耕治訳 ハヤカワ文庫SF
50年代SFにおけるだけでなくオールタイムでもベストに推される超有名作。なのに読んでなかったので復刊を期に購入。タイトルはウィリアム・ブレイクの詩から。でもTiger! Tiger!と虎よ、虎よ!ではだいぶ印象が違わないか? ちなみに新版の表紙は寺田克也である。この絵が例えばゴーレム100とかの表紙でも、普通にあぁゴーレムと思って買うであろう(読んでないのでゴーレムXIVみたいな話だったらどうしようという気はしなくもない)。

ラシーヌ『ブリタニキュス ベレニス』 渡辺守章訳 岩波文庫
通俗恋愛劇作家とかなんとか言われるラシーヌ(調べてみたら評価高いらしい。誰だよ俺に斜に構えたような見方を吹き込んだ奴は)の悲劇ふたつ。もちろんお目当てはベレニスのほうで、ポオの同名短篇がなければきっと読まなかっただろうと思われる。関連があるのかは知らない。17世紀のひと。

アファナーシエフ『ロシア民話集』上 中村喜和訳 岩波文庫
上下で600円。古書店に民話がどっさりあって欲を言えば全部欲しかったのだが、他のものよりもロシア民話を特に読みたかったので、購入。正直なところトルストイの民話ものは教訓染みていて説教臭く大変面白くなかったので、そうでないと良いなと思っている。別にラプンツェルほどエロエキサイティングである必要はないにしてもさ。

アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』1〜7 山内義雄訳 岩波文庫
七冊揃いで1500円。やっと揃っているのを見つけた。ネット古書店でもこれくらいの値段であるのだが、送料がかかると結局一冊300円くらいになってお得感があまりないので。世評では面白い面白いと大絶賛だが、結局いつも通りの冗長かつご都合主義で復讐にも厳しくなりきれないデュマっぽい感じであった。

集英社日本文学全集65 高見順
お噂はかねがねうかがっております高見順だが、文庫を見かけないので手を出さずにいたところ(いや正確には闘病日記しか見かけないのだが)、このままでは触れることもないまま終えるかもしれず、なんとなくそれは困るというような気がしてきて、買ってしまう。105円だったし。うん。まぁ、面白ければよかったよかったということになるし、面白くなければ気に病まなくてすむわけで、買ってしまうのが一番良かったんだよ精神衛生上。ということにしておく。