マッシモ・グリランディ『怪僧ラスプーチン』 米川良夫訳 中公文庫

我ながら何を思ってのラスプーチンなのか不明である。こちらを更新していなかった時期は本もほとんど読んでいなくて(TVゲームなどにうつつを抜かしていたりHDDレコーダ導入により変な時間のテレビをイロイロ見るようになったりしていた)、何か起爆剤を求めて買ったのかなあ、とも思うが、未読であるので発破にはならなかった模様。……などと書いておきながら、その後しれっと読んだが(買った時期、これを書いた時期、記事にしている時期はそれぞれ大きく開きがあります)、著者の方、イタリアのひとなんですね。僕が伝記嫌いなのは、その場にいたわけでもない著者が堂々とさしたる根拠もしめさずに、人物それぞれの心中を吐露させたりしてくれる点なのですけど、この本もまさしくそれ。なら伝記とか言わんで、小説でいいじゃん。あーやだやだ。やめてよね、妙な名前つけて学術的に意味があるみたいな外見を装うの。なお、書簡や日記を根拠として示したとしても、ではその資料はどれだけ信頼できるのかっていう話になって、ケチをつけるのは変わらない。もともと僕は歴史に昏くて、一体一般にラスプーチンってどういうふうに思われているのかなど知らないわけなので、この本に書いてあることが流布する偏見を打破するものなのか、偏見の元になったものなのかもわかりません。何故読んだんだろうね。えーと、500円くらいだったか。