ジュール・ミシュレ『フランス革命史』上 桑原武夫、樋口謹一、多田道太郎訳 中公文庫

上下で1600円? 高い。けどまぁ新品同様だしいいか。と思って買って帰ってきたが、暑さで頭がばかになっていたとしか思えん(と書いているが、これを買ったのはどう考えても2月ごろのはずで意味がよくわからない。暑さとか関係なく、ただ単に気グルなのではないか)。歴史に興味ないと主張しながらローマ帝国衰亡史とかこれとか読んでんの何なのって気もしますが、ローマは長いから、ミシュレ魔女が面白かったから読んでいるだけですよ。と、まだ主張を撤回しない方向でいきますね。ミシュレの著作は主観主義的な要素が多くてとてもじゃないが歴史書とは思えないってのもあります。権威付けのために魔女として女性を虐殺した過去の暴徒への憤りをそのまま出す歴史家なんて、人間くさすぎて学者には向いていない。けれどもミシュレはねえ、そういった部分が気にならない圧倒的な知識や、さまざまな資料と意見を組み上げていくバランス感覚とはまた違った、熱のある作で、変な面白さを感じてしまう。

後藤明生『夢かたり』 中央公論社

350円。自分の中では小説とエッセイの区別があいまいな作家というあたりに置かれつつある後藤明生。本を見掛けないものだから安くてつい買ってしまったが、文庫が出ている本をわざわざハードカヴァで買うとは勘も鈍ったものである。